本当に良い先生とは

アメリカではいわゆるメンターという制度があります
日本でいう師弟制度のことで、音楽教育が大学で行われること、効率を重視し大多数に対する紋切り型の指導が浸透してしまった現代に、改めてその重要性が見直されている制度です

特にジャズの様な個性が重要視される音楽においては、きめ細やかな指導が求められます
その様な姿勢で各生徒に臨む為には、ある程度の人数的限界があります

現代において、ただ教科書を読み、それに沿って皆に同じ様なことを教えていくスタイルはYouTube等の新しいメディアに淘汰されることでしょう

私もBerklee音楽大学やニューヨークでの個人レッスンなど様々な指導を受けてきました
その中には今でも鮮明に覚えているものもあれば、全く記憶に残らないただの時間の無駄だったもの、様々あります
よく「良いプレーヤーが良い先生とは限らない」と言われます。私もそう思います
しかしここでもう一つ理解しておきたいこと、それは

「悪いプレーヤーは決して良い先生には成り得ない」

ということです。
悪いプレーヤーなどと書くと、苦情が来そうな気がしますが、この際はっきり述べておきます

残念ながらこの世には、有名であったり、露出が多かったり、一見派手なことをやっている、プレーヤー達がいますが、その中には基礎を怠っている者もいます。この音楽をまだ始めたばかりで理解できない方もいるとは思いますが、経験者が見れば誰がどの程度の経験・実力を持っているのかは、一見すればわかります(もちろん、個人の好みという側面もありますが、誰もが避けては通れない基礎力がこの音楽では求められます)
もし、その様な基礎力・音楽的経験に乏しい人間に指導を求めに行っても、時間の無駄にしかならないでしょう
また、その様な人間の中にはコミュニケーション力に長けている人もいます
その様な人物は優しく、また丁寧にわかりやすく、指導してくれるでしょう。しかし残念ながら本人はジャズという音楽に対して未熟な為、一般的な楽器の最低限の基礎や音楽理論を教えてくれるかもしれませんが、ジャズの本質については語ることは出来ません。本人が理解できていないからです

では、ジャズ教育において本当に良い先生とはどの様な人物なのか?
それは

「本人が思ってもいないこと(視点)に気付かせてくれる人物」

だと私は思っています

私のところに習いに来る生徒で、「こういったことを教えてほしい。こういうところを改善したい」という人がいます
私が思うに、そういった課題は既に生徒自身で解決できていることがほとんどです
本人が既にその課題に気づいている訳ですから、あとは多少の練習をするだけです
もちろん、その練習に際してより良い方法などを伝授することもありますが、基本的には時間の問題です

しかし、本当に大切なことを本人は気づかないことが往々にしてあります
そういったことを指摘し、場合によって具体的な方法を示すのがジャズにおける理想的な先生ではないかと考えています

そういった意味で、私はピアノ以外の楽器奏者に対して指導も行なっています
私が経験・共演してきた素晴らしい他の楽器奏者達が如何にしていたのか?それはある意味でその楽器奏者ではなく、他の楽器(視点)から見ているからこそ分かることがあると思います

結果ではなく、プロセスが大切な音楽です

楽しいだけではなく、様々な感情表現ができる音楽だと思っています

その為のお手伝いが出来れば幸いです

お問い合わせはこちらから